銀行で働く男女4人たちが繰り広げる、ただの恋愛ドラマのようでただの恋愛ドラマではないラブロマンス作品。
リアルで先の読めない展開が話題となっている『愛と、利と』の魅力と見どころを紹介。
韓国ドラマ『愛と、利と』ただのラブロマンスではない理由⑤選を紹介
『愛と、利と』をただのラブロマンスドラマと思っていたら、それは大間違いだ。
- リアルな人物設定
- 職場階級による格差、人間関係
- 気持ちを表す伏線描写
- 毎話ごと驚きの展開で締めくくられる
- キャスト陣の感極まる演技力
『愛と、利と』リアルな人物設定
まずは『愛と、利と』で登場するリアルな人物設定を見てほしい。
アン・スヨン
(CAST:ムン・ガヨン)
窓口で顧客対応をしているスヨンは田舎出身の高卒で、大衆食堂を営む両親を持つ契約社員
ハ・サンス
(CAST:ユ・ヨンソク)
係長としての肩書きをもつサンスは、大卒だが母子家庭育ちで母親はエステサロンの経営をしている
パク・ミギョン
(CAST:クム・セロク)
チョン・ジョンヒョン
(CAST:チョン・ガラム)
派遣社員の守衛チョン・ジョンヒョンは警察公務の受験生で、銀行の給料は派遣会社名で振り込まれる
- アン・スヨンは高卒で契約社員として働き、主任の肩書きをもつ。両親は四苦八苦しながら大衆食堂を経営。
- ハ・サンスは大卒で社員として働き、係長の肩書きをもつ。父親は他界し、母親はエステサロンを経営。
- 名家の娘パク・ミギョンは大卒で社員として働き、チーム長代理としての肩書きをもつ。両親はお金持ち。
- チョン・ジョンヒョンは派遣社員として働き、親の入院で苦労している。警察公務員の受験生。
また、正社員と契約社員の名札の紐は色分けされ、ジョンヒョンに至っては社員たちとは違う名札で一目で階級が分かるようになっている。
『愛と、利と』職場階級による格差、人間関係
『愛と、利と』の冒頭は、「すべての顧客を同等に扱うわけではない」というサンスのナレーションから始まり、この言葉の通り本作では“階級”に焦点が当てられている。
サンスが教えてくれる銀行内での階級分けはこうだ。
- お金を借りに来た人は待たされる。
- お金を預ける人はエスコートされる。
- 多額の預入をするVIPは支店長室へ案内。
- 上流階級であるVVIPは銀行に来ることもせず、銀行員自らが家へ伺う。
もちろん、階級によって区別されているのは客だけではなく、銀行員たちの中でも明確に分けられている。
失敗続きで入社3年目の係長サンスは、仕事を卒なくこなす入社4年目の契約社員スヨンよりも立場は上になる。
そう、階級も学歴で分けられ、周りの社員からの扱いも契約社員はなめられ卑下されてしまう。
- 守衛→警備以外にもお使い、掃除も頼まれる
- 契約社員→お使い、接待、都合よく扱われる
- チーム長代理→入社早々からチヤホヤされる
また、周りからの扱いの違いらもちろん、契約社員の立場で活躍すると正社員からは妬まれてしまうのもリアルな設定だ。
この階級による違いが4人の恋愛模様に影響を与えているのも本作の魅力で、まさに『愛』と『利』なのだ。
『愛と、利と』気持ちを表す伏線描写
『愛と、利と』は恋愛ドラマでありながら、伏線を小出しにして上手く回収していることに驚きだ。
- 先程のポスター画像で挙げた名札の紐と名札
- 服装の違い
- 下記に掲載するポスター画像の視線
放送前から話題を呼んでいたポスター画像は全て物語の伏線だったのである。
劇中では他にも階級を表す描写が巧みに演出され、それが人物の階級を示唆する伏線になっている。
また、
第1話でスヨンとデートの約束をしたサンスは、デート前に顔パックをして靴を磨き、待ち合わせにはスヨンよりも先に到着していたが、ミギョンとのデートではいつもミギョンが先に到着していた。
このことから、サンスはスヨンのが好きだったが、ミギョンのことは“好きになろう”と努力しているのが分かり、1つひとつの言動が気持ちを表す伏線として上手く描かれている。
また、少しずつだがミギョンのあざとさもフォーカスされはじめている。
- スケートができないフリ
- スヨンと共に制作した玄関マットを投げ捨てる
- スヨンの気に入った絵を購入する態度
- ギョンピルとの過去
- サンスへのプレゼント
など、これらも先の展開に繋がる伏線として挙げられるのでないだろうか。
それ以外にも、
- サンスの母親が経営するエステサロンの顧客にミギョンとミギョンの母親がいること
- サンスの母親とミギョンの母親が友好関係を築く
- スヨンの両親が経営する食堂の常連になっているサンス
- 両親の入院で苦労するジョンヒョン
- ミギョンの父親の接待をするサンス
- ミギョンとギョンピルが過去に親しそうだった意味深なセリフの数々
これらも今後伏線になるのではないかと思われ、これらが『愛と、利と』というミステリーラブロマンスにハマってしまう1つの理由だ。
『愛と、利と』毎話ごと驚きの展開で締めくくられる
『愛と、利と』では、毎話こどに脅かされる終わり方で締めくくられるのも見どころ。
頭にクエスチョンマーク(?)が浮かび、唖然としてしまう終わり方で続きが気になって仕方ないと話題となった。
続きが気になるように作られるのはドラマあるあるだが、今作での魅せる終わり方はとくに優れている。
ラスト1〜2分の急展開で、観ている視聴者はいったい何が起こったのか理解できず、
「あの時こうだったからそうなったのか……?」「いやいや、こうだからあぁなのか…?」「次はどうなるの!?」といった具合に、
理解できそうで出来ない、先の展開が読めそうなところで急展開を毎話突きつけてくるのは本作の魅力。
ただの恋愛ドラマといったら失礼かもしれないが、不正行為がオンパレードするような作品でもなく、時代劇者のような陰謀などもなく、ファンタジーのような謎や派手なこともなく、
4人の男女が銀行を舞台に恋愛を繰り広げているだけのドラマで、ここまでミステリーな感覚に陥らせてくれるのは本作『愛と、利と』ならではで、新たなラブロマンスジャンルを開拓したと言えるのではないだろうか。
『愛と、利と』キャスト陣の感極まる演技力
最後に伝えたのが、ドラマのストーリー構成やストーリー展開だけではなく、キャスト陣の高い演技力も評価したい作品だ。
- セリフ回し
- 声のトーン
- 視線
- 表情
- 仕草
筆者がとくに素晴らしいと感じたのは視線と表情だ。
アン・スヨン役を演じるムン・ガヨンは、同じ表情でも聡明な瞳で好きな人を見つめることもあれば、やや曇りがかった瞳で悲しそうに物事を見つめている。
そう、似たような表情でもアン・スヨンの心情が伝わってくるのだ。
もちろん、パク・ミギョン役を演じているクム・セロクも、表情でこれからどんな事を言おうとしているのがなんとなく察しがついてしまうような迫真の演技を見せている。
また、サンス役を演じるユ・ヨンソクは、スヨンのことが気になって仕方がない10代の少年のような姿と、石橋を叩いて叩きすぎて壊しかねない慎重さが混在した姿を繊細で魅力的に演じている。
ジョンヒョン役を演じるチョン・ガラムも、夢見る青年のように真っ直ぐで強く頼りがいのある瞳をしていたが、一転した時の表情は見事に頼りなさを醸し出していた。
前後の描写から読み取れることでもあるが、
この作品では多くを語らない場面でも、キャスト陣は表情や仕草などから感情を豊かに表現し、視聴している者の心を鷲掴みにしているだ。
いよいよ残り6話となり終盤に差し掛かった韓国ドラマ『愛と、利と』、どのような展開が繰り広げられていくのかに期待がかかる。
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